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集中治療部について

集中治療部のご案内

集中治療室(Intensive Care Unit, ICU)は生命の危機を抱えた重症患者さんにとってまさに最後の砦となる場所です。集中治療部では病院の中央診療部門として、敗血症、呼吸不全、心不全などの重篤な疾患や、心臓手術など侵襲の大きい手術後など、生命を脅かされている患者さんの診療を行っています。 当院ICUは20床を擁し2025年4月現在、常勤医2名(集中治療専門医2名)で呼吸・循環・代謝管理など集学的な治療とケアを担当し、各科主治医と連携しながら患者さんの回復を全力でサポートしています。集中治療部では医師の他、看護師、薬剤師、臨床工学技士、管理栄養士などの多職種でのチームで診療にあたっており、患者さんが生命の危機から脱するだけでなく、食事や歩行などの日常生活を取り戻せるよう、日々努力を重ねています。

診療概要

当院は地域の中核病院であり、心臓手術や脳外科手術、高難易度の肝胆膵手術など比較的侵襲度の高い手術も多数行っています。特に心臓血管外科の症例が多く、年間1,000件を超える心臓手術を行っています。また冠動脈カテーテル治療件数も国内トップクラスであり、循環器内科の症例も豊富です。心臓カテーテル治療後の厳重な管理、心臓手術後の呼吸・循環管理、ECMOなどの補助循環装置の導入と管理は、集中治療部の主要な診療内容と言えます。特に入室患者さんの多い心臓血管外科とは緊密に連携しており、毎朝一緒に回診を行って情報を共有し、術後の合併症予防や早期回復に向けた集中的なケアを提供しています。

上記のような循環器疾患だけでなく、集中治療科医は診療科の枠にとらわれない幅広い疾患の診療を行います。各科での侵襲の大きい手術後、あるいは敗血症、重症肺炎、重症急性膵炎、消化管穿孔・重症腹膜炎といった幅広い領域における重症・救急疾患の患者さんを受け入れています。手術後の疼痛管理、感染症管理、栄養管理、人工呼吸器管理、急性腎障害に対する血液浄化療法など、各科の主治医と連携しながら、エビデンスに則った医療を提供しています。

早期離床やリハビリテーションにも積極的に取り組んでいます。理学療法士がICU入室早期から介入し、筋力低下の予防や早期の機能回復を支援することで、退室後の生活の質の向上を目指します。

各専門知識を持つスタッフが集結し、患者さん一人ひとりの状態に応じたテーラーメイドの集中治療を提供することで、重篤な状態にある患者さんの命を救い、社会復帰を支援することを使命としています

また、当院ICUは日本専門医機構が認定した集中治療科専門研修施設ですので、集中治療専門医取得のための研修も可能です。

実績

ICU入室患者数(診療科別)

内科 循環器科 心臓血管外科 外科 その他 合計
2022年度 65 522 941 82 184 1,794
2023年度 110 595 955 68 114 1,842
2024年度 85 595 1,045 59 105 1,889

人工呼吸機使用患者数

2022年度 497
2023年度 695
2024年度 791

血液浄化療法実施患者数(CHDF含む)

2022年度 119
2023年度 132
2024年度 148

IABP(大動脈内バルーンパンピング)使用患者数

2022年度 75
2023年度 65
2024年度 54

ECMO実施患者数

VA ECMO VV ECMO
2022年度 22 1
2023年度 23 1
2024年度 15 -

この記事を書いた医師

染井 將行(そめい まさゆき)
千葉西総合病院 集中治療科 医長