放射線治療科

頭頸部がんの放射線治療

頭頸部がんは、口、のど、鼻、副鼻腔、唾液腺、喉頭などにできるがんの総称です。放射線治療は、部位や病状によって、手術を行わずに根治を目指す治療、抗がん剤と組み合わせる治療、手術後の再発リスクを下げる治療として用いられます。

当科では、主治医と連携しながら、治療の目的、回数、副作用、食事や通院への影響について説明し、患者さんの状態に合わせて治療を進めます。

このようなご相談に対応しています

  • 頭頸部がんで放射線治療をすすめられている
  • 手術を行わずに機能を残す治療について知りたい
  • 手術後に追加の放射線治療が必要と言われた
  • 抗がん剤と放射線治療を同時に行う予定がある
  • 口内炎や飲み込みづらさなどの副作用が心配
  • 治療中の食事、口腔ケア、通院の流れを知りたい

頭頸部がんに放射線治療を行う理由

頭頸部がんでは、がんの場所によって、話す、食べる、飲み込む、呼吸するなどの機能が治療後の生活に大きく関わります。放射線治療は、これらの機能をできるだけ保ちながら、がんの制御を目指す治療として用いられることがあります。

病状によっては、抗がん剤と放射線治療を同時に行い、治療効果を高めることがあります。また、手術後に再発リスクが高いと判断される場合には、追加治療として放射線治療を検討します。どの治療が適しているかは、がんの部位、進行度、全身状態、手術内容などをもとに判断します。

治療回数と通院の流れ

頭頸部がんの放射線治療は、多くの場合、通院で行います。初診では、がんの部位、画像検査、病理結果、手術や薬物療法の予定、食事や飲み込みの状態を確認します。その後、治療計画用CTを撮影し、照射する範囲を決めます。

治療では、毎回同じ姿勢を保つために、顔や首を固定する専用のマスクを作成します。治療回数や期間は病状によって異なります。1回の照射は10分程度で、照射中に痛みや熱さを感じることはありません。治療中は定期的に診察を行い、口やのどの痛み、食事量、体重、皮膚の状態などを確認しながら進めます。

1.初診

病状やこれまでの治療内容を確認し、放射線治療の目的や方法を検討します。治療を進める場合は治療計画用CTの撮影予約をとります。

2.治療計画用CTの撮影

治療計画用CTの撮影を行い、放射線をどの範囲に対して、どの方向から、どのくらい照射するかを検討します。効果的な治療を行うために綿密な治療計画を立てます。

3.治療開始

治療計画用CT撮影から最短で数日程度を経過の後で治療開始となります。治療は原則として通院(外来)で行います。

副作用について

頭頸部がんの放射線治療では、照射する場所によって、口内炎、のどの痛み、飲み込みづらさ、味覚の変化、唾液の減少、声のかすれ、皮膚の赤みなどが出ることがあります。抗がん剤を併用する場合は、症状が強く出ることもあります。

食事が取りにくくなると、体重減少や脱水につながることがあります。そのため、治療中は痛み止め、うがい、口腔ケア、栄養の工夫などを組み合わせながら、治療を続けられるように支援します。

治療後しばらくしてから、口の乾燥、味覚の変化、飲み込みづらさ、首のこわばりなどが残ることもあります。症状の程度には個人差がありますので、気になる症状がある場合は、我慢せずにご相談ください。

よくある質問

Q
放射線治療中に痛みはありますか?
A

照射中に痛みや熱さを感じることはありません。ただし、治療が進むにつれて、口やのどの痛み、飲み込みづらさが出ることがあります。症状を確認しながら対応します。

Q
入院は必要ですか?
A

多くの場合、通院で治療できます。ただし、抗がん剤を併用する場合、食事が取りにくい場合、全身状態によっては入院で対応することもあります。

Q
抗がん剤と一緒に治療することがありますか?
A

病状によっては、放射線治療と抗がん剤を同時に行うことがあります。治療効果を高める目的で行いますが、副作用も強く出ることがあるため、主治医と連携して判断します。

Q
食事ができなくなることはありますか?
A

口内炎やのどの痛みにより、食事が取りにくくなることがあります。痛み止め、食事内容の工夫、栄養補助などを行いながら、食事量や体重を確認していきます。

Q
口腔ケアは必要ですか?
A

頭頸部の放射線治療では、口内炎や口の乾燥、むし歯などに注意が必要です。治療前から口の中の状態を確認し、歯みがきやうがいなどの口腔ケアを続けることが大切です。

Q
味覚や唾液は元に戻りますか?
A

治療後に少しずつ回復することもありますが、口の乾燥や味覚の変化が長く残る場合もあります。症状に合わせて、食事や口腔ケアの工夫を相談していきます。

Q
声を残すことはできますか?
A

がんの部位や進行度によっては、手術を行わずに放射線治療で声や飲み込みの機能をできるだけ保つことを目指す場合があります。ただし、適した治療は病状によって異なります。

Q
仕事を続けながら通院できますか?
A

治療の前半は日常生活を続けられる方もいますが、治療が進むと、口やのどの痛み、食事量の低下、疲れやすさが出ることがあります。仕事内容や体調に応じて無理のない予定を相談します。

Q
治療後も通院は必要ですか?
A

治療後は、がんの状態だけでなく、飲み込み、口の乾燥、皮膚や首のこわばりなどを確認するために定期的な診察を行います。症状がある場合は早めにご相談ください。

お問合せ・ご相談について

患者様

放射線治療の適応を判断するためには、現在の病状、これまでの治療内容、検査画像などの詳しい情報が必要です。そのため、当科の受診は原則として、現在診療を受けている医療機関の医師からの紹介による予約制としています。受診をご希望の場合は、まず現在の担当医にご相談ください。

他施設の方(患者様のご紹介ほか)

放射線治療科予約・問合せ専用番号までご連絡ください。

お電話でのお問い合わせ
(月~金9:00~17:00)

外来予約をお取りします

この記事について

このページは、頭頸部がんの放射線治療について、患者さんとご家族に分かりやすくお伝えするために作成しています。実際の治療方針は、病状や検査結果、全身状態などによって異なります。詳しくは、主治医または放射線治療科でご相談ください。

参考にした主な情報
  • 日本放射線腫瘍学会放射線治療ガイドライン

執筆・監修医師

藤 浩(ふじ ひろし)
千葉西総合病院 放射線治療科
日本医学放射線学会認定 放射線治療専門医

最終更新日:2026年7月28日