高度な専門性と細やかな気配りで認知症に悩む患者様をチームでケア
2025.10.30
現在私は、病棟と兼務で認知症ケア業務に励んでいます。部署の垣根を越えて認知症ケアサポートチームを組み、各部署への訪問やカンファレンスを通じて、認知機能が低下している患者さんのサポートを行っています。私が認知症看護認定看護師の資格を取ろうと考えたのは祖母の認知症がきっかけでした。日本はこれからさらに高齢社会になりますし、祖母のためにもなると考えたのです。
認知症になると、理解力の低下や感情の欠落、食欲減退などの変化が現れ、普段の生活だけでなく、食事や投薬、リハビリにも支障をきたします。当然ながら、認知症の状態や症状は患者様ごとに異なるため、一人ひとりに合わせた対応が必要になってきます。
例えば、ある患者様は認知症による徘徊が治療過程の中で問題となっていました。会話の内容や状況から考えると、病室に居心地の悪さを感じているようでした。このケースで私たちが行ったのは快適な空間づくり。その方は手先が器用であったことからパズルなどを部屋に用意したところ、室外への徘徊がめっきりなくなったのです。
認知症は「できないこと」にとらわれがちですが、ネガティブになるとその感情が患者様に伝わり状況も好転しません。「できること」に目を向けて昔話に花を咲かせたり、楽しみながらリハビリをしたりと、ポジティブな感情を共有することを心がけています。認知症になったとしても患者様が前向きに過ごせるよう、適切なケアを探っていくのがこの仕事の難しさであり、やりがいでもあります。
今後はチームの基盤強化を図るとともに、私も特定技能研修を受けるなど、知識と技能を兼ね備えた看護師を目指して、学びを深めていきたいと考えています!





