ブレインハートチーム
脳と心臓をセットで守る。ブレインハートチームとは
ブレインハートチームとは、脳(ブレイン)と心臓(ハート)、さらに消化器領域まで含めて、相互に影響し合う病気に対し、各専門医が連携して診療を行うチーム医療の取り組みです。脳卒中と心臓疾患は密接に関係しており、単一の診療科だけでは最適な治療が難しいケースも少なくありません。
当院では、心臓血管外科・循環器内科・脳神経外科に加え、抗血栓療法に伴う出血リスクに対応するため消化器内科も含めた体制を構築し、包括的な診療を行っています。定期カンファレンスでは、MRI・CTなどの脳画像や心エコー検査をもとに、各専門医が議論を行い、患者様ごとに最適な治療方針を検討しています。
合同カンファレンスの様子


当院ブレインハートチームの特徴
左心耳マネジメントを核とした診療
心房細動に伴う脳梗塞の多くは、心臓内の「左心耳」と呼ばれる部位にできた血栓が原因とされています。当院では、この左心耳に対する治療(左心耳マネジメント)を中心に据え、外科的治療とカテーテル治療の両方を選択できる体制を整えています。
- 内視鏡下心房細動手術(外科的胸腔鏡下左心耳閉鎖術|ウルフ・オオツカ法)
- カテーテルによる左心耳閉鎖(WATCHMAN™治療)
それぞれの患者様の状態(解剖・出血リスク・全身状態など)に応じて、「どちらが優れているか」ではなく、「その方に最も適した治療を選択する」ことを重視しています。この両方の治療を同一施設で提供できる体制は、国内でも限られており、当院の大きな特徴の一つです。
研究実績
当院を中心とした多施設共同研究において、胸腔鏡下左心耳閉鎖術の成績を検討し、良好な脳梗塞予防効果および安全性が報告されています。本研究は複数施設を含む実臨床データに基づくものであり、外科的左心耳閉鎖の有用性を示す重要な知見となっています。
- Isolated Thoracoscopic Left Atrial Appendage Occlusion Across 6 Centers: Early Outcomes and OAC Discontinuation
https://www.jacc.org/doi/full/10.1016/j.jacasi.2025.09.009
多施設共同による胸腔鏡下左心耳閉鎖の実臨床成績を検討し、良好な安全性と有効性が示されました。 - Outcomes of Thoracoscopic Left Atrial Appendage Occlusion With or Without Concomitant Thoracoscopic Ablation ― Multicenter Retrospective Registry of 567 Patients in Japan ―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/circrep/advpub/0/advpub_CR-25-0276/_article/-char/ja/
胸腔鏡下左心耳閉鎖により脳梗塞予防に加え、外科的Ablationによるリズム治療の成績に関して、実臨床における成績を報告し、本術式の有用性を示しています。
対象とする病気は?
脳と心臓(および消化管)の両方で、相互に影響がおよぶ病気が対象となります。
心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)
心房細動や弁膜症などにより心臓内にできた血栓が脳に飛び、血管を詰まらせる病気です。
ESUS(塞栓源不明脳塞栓症)
検査を行っても明確な原因が特定できない脳梗塞で、背景に心臓由来の要因が隠れている可能性があります。
卵円孔開存症(PFO)
心臓内にある卵円孔と呼ばれる小さな孔が閉じずに残ることで、血栓が脳へ移行するリスクがある病態です。
当院ではカテーテルによる閉鎖術を含め、適切な治療選択を行っています。
頸動脈狭窄症
首の血管の動脈硬化による狭窄で、脳梗塞の原因となる疾患です。全身の動脈硬化との関連も重要です。
当院からのメッセージ
ーチーム医療で実現する「最適な治療」ー
当院のブレインハートチームは、脳卒中予防と出血リスクの双方に配慮しながら、
- 病態の正確な評価
- 最適な治療選択
- 継続的なフォローアップ
を一体として提供することを目指しています。
脳・心臓・消化器を横断した“連携医療”により、より安全で質の高い診療を提供します。
お問合せ・ご相談について
患者様
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地域連携室までご連絡ください。
TEL:047-384-8564
月~金曜日 8:30-17:00/土曜日 8:30-12:30
この記事を書いた医師

中山 泰介(なかやま たいすけ)
千葉西総合病院
心臓血管外科副部長




