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大動脈瘤コラム(9)

今回は、破裂ではありませんが、無関係と思われがちな症状から偶然見つけられた、胸部の大動脈瘤についてお話します。

最初の方は60代男性で、約1年前から「声がかすれる。」との訴えで、耳鼻科にかかっておいででした。診断は「反回神経麻痺」で、リハビリを主体に、経過観察のため毎月耳鼻科に通っていらっしゃいました。ある日、風邪のためか、「痰が切れない。」ということで、別の内科におかかりになり、レントゲン写真を撮影したところ、「影がおかしい。」と言われ、当院へ、CT(断層撮影)のためにお越しになりました。CTの結果、「胸部大動脈瘤」が見つかり、瘤の場所から、声がれの原因も、この瘤が最も疑わしいと判明致しました。この方は、風邪症状が良くなってから、手術をお受けになり、元気に退院なさいました。残念ながら、声がれはなかなか良くなりませんが、原因がわかって良かったとおっしゃって下さいます。

次の方は、50代男性で、「カラオケで、最近高い声を出す時に、声がかすれるようになった。」ということで、内科におかかりになりましたが、原因不明で、耳鼻科に紹介されました。その際、のどから胸の上部までのCTを撮影したところ、偶然、胸部大動脈瘤が見つかりました。この方も手術をお受けになり、その後、元気にカラオケに通っておいでです。やはり、声がれはなかなか良くなりませんが、「今の方が、渋いと言われる。」とますます盛んなご様子です。

このように、「声がかれる」という訴えで偶然、大動脈瘤が見つかることが少なくありません。胸や背中が痛いという症状は、瘤が急激に大きくなり破裂しかけた時か、あるいは破裂してしまった時にしか現れませんので、胸部大動脈瘤があるよと知らせてくれる症状はほとんどありません。唯一、破裂まで行き着く前に瘤の存在を教えてくれる症状は、この「声がれ」である場合が非常に多いのです。もちろん、声がれの有無は、胸の中でも瘤の場所や太さにもよりますが。

皆様にお話せねばならないような事柄をまた報告申し上げますが、皆様におかれましては、大動脈瘤や解離について知りたいことがございましたら、ぜひ連絡下さい。

大動脈瘤破裂、解離で大切な方との突然の悲しいお別れになってしまうのを未然に防ぎたい、その手伝いができればと思っております。連絡をお待ち申し上げます。

(10)に続く

連絡先

電話番号:047-384-8111(代表)
(電話交換手より大動脈センターへお繋ぎ致します)

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大動脈センター 市原 哲也