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大動脈瘤が心配な方へ(3)

前回は、大動脈瘤検査には、断層撮影(CT)が非常に短時間で終わり、かつ有用であることを述べました。今回は、大動脈瘤はなぜ治療の必要があるかについて述べたいと存じます。

“大動脈瘤”というのは、簡単に申し上げますと、“血管のこぶ”ですね。“こぶ”と申しますと、やや硬くて、破れにくいという印象を受けますので、“風船”と呼んだ方が正しいかと存じます。風船は、大きくなれば当然破れやすくなりますね。動脈瘤も同じで、大きくなると破れやすくなるのです。この“破れる”ということは、何を意味するかと申しますと、それはもう、“死”なのです。しかし、破れてしまったら、楽に、また、すぐにあの世へ行かれるかというとそうではなく、それはそれは、痛くて苦しく、しかもかなり長い時間を過ごしてからでないとあの世へは行かれません。大動脈瘤破裂の緊急手術で生還なさった方に、後にお聞きしますと、皆さん、一様に、“痛くて絶対に死ぬと思った。”とおっしゃいます。そうなのです、とても痛いのです。その時の状態は、客観的にどう見えるかと申しますと、冷や汗をかき、顔は真っ青で、“痛い痛い!!”とわめき散らし、それはもう、“地獄絵図”なのです。その際、もし病院内にいらっしゃれば、私共のやるべきことは、まず、強い痛み止めを注射して、痛みを取り除き、それでも効かなければ、麻酔をかけ、人工呼吸器を装着する必要があります。いわば、痛みと“死の恐怖”を除去することから始まるのです。検査はそこから始まります。

このように、動脈瘤破裂というのは、とても痛いものなのです。破裂の程度によって、痛みの持続時間は異なりますが。どういうことかと申しますと、あっと言う間に冷たくなるような破れ方であれば、“うっ”と言ってもんどりうって倒れ、それっきり、ということもあります(ショック状態ですね、俗に言うところの)が、これは非常に稀です。大抵は、数時間に渡り、痛い痛いと苦しむのです。中には、病院で診て貰いながらも、診断がつかず、一昼夜以上、苦しんだ方もおいでです。こうして、比較的長い苦しみ、痛みの後、手術で助かれば、宜しいのですが、助かりませんと、苦しんだままあの世へ行くことになるのです。大切な方がこのように苦しみながら病院へ運ばれ、さらに手術室へ運ばれ、挙句の果てに冷たくなって再会せねばならないというのは、悲劇以外の何ものでもありますまい。

だからこそ、大動脈瘤は治療の必要があるのです。大きさ(太さ)、場所、種類がはっきりしたら、とにかく、治療を始める必要があるのです。悲劇を回避するためにも、まずは、治療です。大動脈瘤をお持ちの方は大抵、高血圧がおありなので、まずは、血圧を落ち着かせる薬から始まります。そして、太さ、場所により、手術の必要性について、常に検討の対象になるのです。

このようなことを述べますと、脅しと取られ兼ねませんが、誤解なさらないようにお願い申し上げます。前にも述べましたが、大動脈瘤について治療を受けていながら、破裂で緊急手術が必要になる方がことの他多く見受けられるのです。あるいは、以前に一度、大動脈瘤があると指摘されながらも、放置していたがために、破裂に至り緊急手術を受けた、という方が以外に多いのです。こうした悲劇を繰り返さないためには、大動脈瘤について、正しい理解を求める以外には方法はありません。ですから、決して脅しではないのです。

今回は、“死”や、“あの世”という物騒な言葉が飛び交い、非常に読み難い文になってしまいましたが、疾患の性質上、どうぞ御容赦下さい。次回は、“太くならずに破裂する、もうひとつの大動脈瘤;解離”について述べたいと存じます。

診断がついたら、次には、薬の治療にせよ、手術にせよ、大動脈瘤はなぜ治療が必要かということを、御理解頂くことが最も大切なのです。次回は、このことについて、述べるつもりでおります。

どのようなことでも構いませんので、まず、連絡下さい。皆様自身や大切な方の体を守るためのお手伝いを是非させて下さい。連絡をお待ち申し上げます。

(4)に続く

連絡先

電話番号:047-384-8111(代表)
(電話交換手より大動脈センターへお繋ぎ致します)

また、
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大動脈センター 市原 哲也